- 医学研究に参加する医師たちが健診活動を行うことにより、地域に経済的負担をかけずに医療濃度を上げ市民の健康をまもる事業を継続的に行います。
健診活動
コホート研究は「医学の原点」であり、医学者にとってのユートピアです。留萌コホートピアでは、これまで一大学・一講座の限定閉鎖的だったコホート研究を「オープン・フィールド」として、道内3大学(札幌医大・北大・旭川医大)をはじめ、日本全国の研究者に開かれた環境として提供します。質の高い研究とそれをサポートする医師の派遣などを審査基準として研究を公募します。これにより、大学の臨床医学講座から、留萌市立病院への医師の派遣が確保され、市立病院の経営の改善、重症患者や救急患者が旭川・札幌などの病院に流れることによる、国保赤字の増大を防ぐことができると期待されます。
- 独自のアンチエイジング普及活動で特定健診の受診率を確保、後期高齢者支援金負担増を回避、特別報奨助成金の獲得をめざし、自治体の国保財政をまもります。
アンチエイジング普及活動について
本年4月から特定健康診査・特定保健指導(特定健診・指導)制度が始まりました。厚労省がかかげた一定の受診率を挙げ、メタボリック症候群の減少などの課題基準を満たさなければ、自治体に課せられる後期高齢者支援負担金が10%加算・減算されることになっています。しかし、特定健診・指導に対する一般の市民の認識は冷ややかで、「めんどくさい!わざわざ怒られに行くもんか」、「好きな酒やタバコを禁じられても...」というところでしょうか? 一方、抗加齢医学では「オプティマル・レンジ」というアンチエイジングにとって最適な達成目標をかかげ、叱り・禁じ・強制するのではなく、本人の達成感を大事にした一歩前進型の楽しい健康指導を行います。「メタボ」という言葉はネガティブですが、「アンチエイジング」はポジティブであり、そうした「いつまでも美しく、老いずにいたい」という心をつかむ活動を行います。
- 医学情報とともにサンプルを収集し、疾病予防・診断のためのバイオマーカー血液や尿などに含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標( マーカー)となるもの研究に価値のある、「市民の知的財産」づくりをめざします。
サンプル収集について
米国ではバイオマーカー血液や尿などに含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標( マーカー)となるもの探索のための官民挙げての国家プロジェクトが立ち上がるなど、次期医療知的財産としてのバイオマーカー血液や尿などに含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標( マーカー)となるものは注目されています。長期間の医療記録・情報がそろった臨床検体は、疾病予防や早期診断などのバイオマーカー血液や尿などに含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標( マーカー)となるもの探索のために非常に重要です。しかし、日本ではそのような系統的で大規模なサンプルの保存はほとんどなされておらず、留萌でそのようなサンプル保存を続けると、数年以上の時を経て、数億~数十億円の市場価値を生み出す「市民の財産」を造ることができます。こうしたサンプルを使って行った企業との共同研究では、一時契約金やライセンス料を得て、市民の健康福祉の増進に使うことが可能となると期待されます。
- 高度で良質な医学研究フィールドを大学の臨床大学院制度臨床研究に重点を置く新たな大学院制度。 地方の拠点病院で、実践的な臨床研究に取り組むことで学位を得る。と連動させ、若い医師にとって魅力的なキャリア形成・研修の場をつくりあげます。
医師のキャリア・研修について
悪名高い「初期臨床研修制度」により、若い医師たちは都市部に集中し、地域から立ち去るという悪循環が形成されています。医師の不足は直接病院経営を悪化させることは周知の事実です。若い医師たちにとっては、良い臨床経験が積めること、医学博士や専門医資格を取得するための研究・研修ができることが、給料の額よりも自分の赴任地を決める優先条件となっています。留萌コホートピアでは、札幌医科大学と連携して、留萌市立病院で診療を行いながら、医学博士を目指す新しい形の大学院制度(地域連携医療大学院)を創設し、アクティブな研究を誘致することにより、医師にとっての魅力的な環境作りに努め、市立病院の活力となる人材を集めます。
- 地域連携医療大学院プログラム(概念図)
- 特定健診データを中心に市民の健康情報を長期にわたり、安全に収集、地域医療連携を支え、医学研究にとって価値のあるデータベースを作成します。
健康情報データベースについて
インターネット上で医療記録を管理することは、米国で試験中の「Google Healthユーザーがそれぞれの健康・医療情報を一元管理できるWebサービス。現在米国で試験運用中。」に代表されるように、世界潮流となっていくでしょう。病院・診療所・介護ステーション・保健師をつなぐ地域医療連携をシームレスに行う理想的環境が整うと期待されます。また、本人が医療記録に限定アクセスすることにより、自分の健康状態への関心を高める効果も期待できます。もちろん、高度な暗号化技術にて、個人情報は完全に護られねばなりません。留萌コホートピアではそうした最新技術を札幌のIT技術者・暗号化技術者たちの協力を得て、試験運用・構築して、日本のデファクトスタンダードを目指します。
- 医師だけでなく、看護師、栄養士、薬剤師、保健師、社会福祉士、ケアマネージャー、治験コーディネータ(CRC)など地域医療を支える多様な人材の育成を行います。
医療関連人材育成について
人材育成こそが、地域振興の鍵であることは論を待ちません。留萌コホートピアは地域医療・福祉を担う様々な職種の人材の育成に役立つと考えられます。例えば、健診活動の結果、保健師・栄養士による指導の実習、医療連携におけるクリティカルパスの立案と実行の実習、臨床試験のマネージメント実習などコホート研究の運営には人材育成の種が尽きないといっても過言ではありません。こうした人材育成の環境は、首都圏からの教育実習のための若いボランティア労働力の派遣にもつながると期待されます。
- 社会起業社会を変革し、社会貢献を成す持続性のある事業を成すため、営利部分を持つ企業を興すこと。(soft PFI)として、産学官連携NPO法人「るもいコホートピア」を設立、留萌市立病院(基幹病院)と企業、大学のスムーズな連携を図ります。
健診活動
社会起業社会を変革し、社会貢献を成す持続性のある事業を成すため、営利部分を持つ企業を興すこと。(social entrepreneur)とは社会貢献を目的とし会社を興すことですが、従来のNPOと異なり、寄附金や公的資金をその主な活動資金とするのではなく、営利部分(ビジネスドメイン)を内包することにより、持続的に活動を行える資金を得るような形の会社をいいます。Soft PFIとは、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)に準拠した考えですが、ハコモノを造るのではなく、民間資金により医療資源や人材を中心としたインフラ整備を行うことをいいます。留萌市立病院に企業から医療機器や運営資金を、大学から医師を確保するための活動を行います。
- 医学研究を行う医療機器メーカーや製薬会社との契約を結び、市民の健康をささえる活動やインフラ整備に充てる資金を持続的に獲得します。
NPO法人について
NPO法人「るもいコホートピア」が中核となり、医療機器メーカーや製薬会社との共同研究契約を結びます。医療機器メーカーでは、最新の医療機器のテストや測定結果と疾病予後との関係を調べ、大学研究者が論文を出版することにより企業にインセンティブを返します。製薬企業とは主としてメタボリック症候群の予防的治療により、脳・心血管イベントの発生率低下を証明し、薬剤の適応範囲を広げるような共同研究を行います。
- 地域資源食材(低蛋白米、カズノコなど)について市民の協力で食品臨床試験を行い、エビデンス科学的根拠。特に、evidence-based medicine (EBM)と関連して述べられるときには、ヒトを用いた臨床研究・試験にて客観的な事実として認められた証拠をいう。に基づく高付加価値化・ブランドアップをはかります。
地域資源のブランドアップについて
留萌コホートピアは食品の健康効果についての絶好の臨床試験環境を与えてくれます。低蛋白米(アレルギー・慢性腎不全の維持改善)、カズノコ(高コレステロール血症・動脈硬化を予防)など留萌の地域にある食材を適切なエンドポイント治療行為の意義を評価するための評価項目のこと。死亡、疾病発生、代用バイオマーカーなどによる。を定めてテストすることにより、健康効果を宣伝し、ブランド価値を高める活動をNPO法人「るもいコホートピア」は行います。
- 医学・医療研究のメッカを留萌地域につくることにより、地元産業の創出と本州大手医療企業・バイオ産業・医療教育産業の地域誘致をめざします。
地元産業の創出と企業誘致について
大規模で継続するコホート研究の場は、様々な医療産業にとっても魅力的な地となるでしょう。 NPO法人「るもいコホートピア」は、そこに地元産業の創出や大手医療企業の研究所・事業所などの進出を促し、アクティブな研究を企業に勧める活動を行っていきます。北海道の企業創出・誘致に関する公的な助成制度を留萌支庁などの行政と密に連携しながら、利用できるように活動していきます。企業だけではなく、大学などの医療福祉学科の分校など、若い人々を呼び込み、雇用の拡充に向けた活動を積極的に行っていきたいと考えています。