コラム  ゲノムコホート
 
 昨年末、26歳から80歳までの男女41名に参加いただき、ゲノムコホートという研究のパイロットスタディ(本格研究に向けた試行)を行いました。ゲノムコホートの研究目的は、生活習慣の影響と遺伝的な要因等の関係について調べ、個人の体質に合ったきめ細かな保健指導、予防法を確立しようというものです。今回、身体計測、血液(血糖値)検査、食品摂取量調査、唾液による肥満関連遺伝子検査などに協力いただきました。 肥満関連遺伝子は、近年の研究で50種類以上あるといわれています。今回の検査では3種類の遺伝子について調べました。肥満関連遺伝子はエネルギー消費を節約し、体内に脂肪を貯め込む働きがあります。食が豊かな現代では、これらの遺伝子の異常で肥満になりやすく、生活習慣病を招く要因になるといわれています。研究実施者であるNPOるもいコホートピアの集計によると、今回の調査では、調べた3つの遺伝子のうち1つでも肥満型であった方の割合は98%、3つとも肥満型であった方の割合は24%でした。 また、 同時に食品摂取量の調査を行った結果、脂質や塩分の摂取が過剰気味で、食物繊維の少ない食事をとっている方が多いことがわかりました。脂質エネルギー比率の増加は肥満やメタボリック症候群を招くことから、上限を超えないことが望ましいとされています。今回の調査結果をふまえて食生活を改める方も多いのではないかと思います。 このような研究への参加を通じて、日常あまり機会のない遺伝的要因や食物摂取の状況など、データ結果を客観的指標と比較することで、自らの健康、生活を振り返るとともに、参加いただいた貴重な健康情報を今後の研究に役立てていく取り組みを、今後も展開していきたいと考えています。結果の解説や結果に基づいた健康づくりの相談を受け付けていますので、健康のことをじっくり考える良い「きっかけ」にしてください。
 
問合せ 部署名 市・コホートピア推進室
連絡先 0164-43-8121(るもい健康の駅内) FAX 0164-43-8123