ここ10年間で患者数が約840万人も増えた糖尿病は、今や国民病と呼ばれるようになりました。糖尿病の中でも意外と知られていないのが「食後高血糖」です。食時後に、すい臓から血糖値を下げるためのインスリンが分泌されますが、そのパワーが不足したり、あるいは細胞にうまく取り込めず血糖値が下がらない状態が続くと、血管を傷め詰まりやすくなって脳卒中や心筋梗塞を引き起こす原因になります。
留萌市立病院で心臓発作により緊急入院した308名の患者から、既に糖尿病の方よりも食後高血糖(糖尿病予備軍)の方が多いというデータが出ています。
通常の健診では空腹時血糖値は測定しますが、空腹時血糖値は低く検査をすり抜けても、食後の血糖値が急激に高くなる人は見逃してしまうというのが問題です。つまり、これらの人は、将来心疾患を引き起こす可コホートピアコラム能性の高いリスク者でありながら、通常の検査では見つけられないのです。 昨年、55歳から64歳までの市民の皆さんを対象に、アンケートからメタボリスクを抽出し、396名の方々に血液検査を受けていただき、インスリンパワーを調べて食後高血糖群を予測する調査、研究を行いました。その結果209名(53%)が既に糖尿病を発症していたり、あるいは食後高血糖又は予備軍を疑う結果となりました。
この試みは、アンケートにより効率的にリスク対象者を抽出し、インスリンパワーを調べる血液検査を行うだけで、通常の検査では見つかりにくい食後高血糖群タイプを予測しようというものです。皆さんの協力により、留萌での研究でより精度を高め、留萌オリジナルの疾病予防、検出方策としての確立を目指しています。 |
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